一般的な病院が病気を完全に治すという事を目的としているのに対し、終末医療を扱っている病院では患者の苦痛を取り除く事を目的とした医療行為を行っています。ターミナルケアとも呼ばれ、病気を治すという事よりも患者さんの残された余命を出来るだけ充実した期間とするための努力が病院や看護師には求められています。強い痛みを伴う患者に対しては、比較的強い成分の薬剤を使用する事により、痛みの軽減を図るという手法が用いられます。
しかしながら、強い成分の薬剤の使用により人間らしい生活を営むことが出来なくなってしまうと、終末医療の意味が無くなってしまいます。そのため、使用する薬剤の量の調節は、医師や看護師の話し合いで決められることがほとんどです。適切な量の薬剤を処方するためには、病院で働く看護師が常に患者の生活の様子などをチェックする事が大切だと言えます。
患者に多くの薬剤を投与する事は、痛みの緩和には繋がりますが生活の質を下げてしまうなどの悪影響も懸念される事から、慎重な判断が求められます。薬によっては強い副作用によって、かえって症状が悪化してしまう可能性も捨てきれないことから、看護師だけでなく薬剤師とも連携したチーム医療が行われる事が望ましいと言えるのです。患者に残された時間を有効に使う事が出来るようにするのも、看護師としての終末医療に対する大切な役割ですので、患者との深いコミュニケーションを常に取る事が大事だと言えます。